≪校内文化祭から≫ 9月19日(土)
具体的に文化祭への取組が見えてきたのは、2学期に入ってからでした。合唱へ向けての練習、展示する作品の完成、執行部企画の計画など、時間のない中でしたがしっかりと計画的に進められてきました。先生方の運営計画書に基づく事前準備と生徒への指導と生徒の活動がうまく動き出し、当日を迎えることができました。また、PTA総務部、厚生部の部長様はじめ関係の皆様のおかげで、ふれあいバザー、まごころバザーを運営していただき、楽しい1日になりました。ありがとうございました。
3年生の素晴らしいハーモニーを醸し出した合唱に感動しました。よく歌いこまれ、感情を伝えようとする表現力と響きが聞き手の心に伝わるものがあり、どちらのクラスも素晴らしい出来栄えでした。想像ですが、金賞を目指して歌い始めた最初のころの気持ちが、最後の方では「楽しく精一杯歌おう」「みんなで合唱を楽しもう」「みんながまとまっているこのクラスが好き」などの気持ちに変わってきた人が多くなったのではないかと考えます。結果が全てではなく、これまでやってきた練習を大切にしているからこんなふうに思えるのではないでしょうか。結果を出すことを常に求めての取組は〇か×の世界に近く、いい結果が出た時はいいですが、そうでないときはこれまでの練習してきた全てをも否定してしまい、原因追及をしてしまうことになります。合唱練習を通して、どのクラスも多くのことを学んだことでしょう。3年生の見せてくれた姿をいい手本として、再度クラス力を伸ばして来年の合唱に挑戦して欲しいと願っています。
自分色を出せるクラス それがクラス力です。 |
≪異質の者への理解と寛容を≫
合唱をするためには、声の高い人、低い人、混成なら男女が必要です。それぞれが持ち味を出し合うことで、同じ声をそろえるのではなく厚みや響きを持った見事なハーモニーが生まれます。クラスの中には、歌うことについての考え方や得手不得手などに個人差があります。個人差を理解しつつ、それでも良い合唱にしようと前を向いて進んでいこうとする努力に大きな意味があります。強制されても声の出るものではありません。クラスみんなの理解とそして寛容があってこそ、認め合い安心してそこで歌うことができます。
学校で起こる様々なトラブルの多くに、相手への理解不足が原因であったり、分かってくれているだろうという誤解が原因であったりすることがあります。私たちが暮らしている社会全体が様々な個性を持った人々の集まりであり、学校という社会もみんな同じ考えのもとに集まった集団ではありませんから、違って当たり前でそれが前提です。お互いが理解し合い、その理解の上に寛容さを発揮することで、本当の意味での住みやすい社会を作り上げることができます。W高校のHR制を思い出しています。
文部科学省から出されている「人権教育の指導法等の在り方の手引き」に、つけてほしい力として、こんなことが書かれています。
①他の人の立場に立ってその人に必要なことやその人の考えや気持ちなどがわかるような想像力、共感的に理解する力
②考えや気持ちを適切かつ豊かに表現し、また、的確に理解することができるような、伝え合い、わかり合うためのコミュニケーションの能力やそのための技能
③自分の要求を一方的に主張するのではなく建設的な手法により他の人との人間関係を調整する能力及び自他の要求を共に満たせる解決方法を見いだしてそれを実現させる能力やそのための技能
特に、③の技能は中高生時代に体験を通して理解し、技能として身につけてほしいところです。中学生時代は自分の思いを表現することが苦手ですが、上記の合唱の取組からも少しずつ学んできていると思います。相手を理解することを大切にし、自分やみんなが幸せになるよう努力していきましょう。